白い壁とオレンジの屋根20

ポルトガルの港フンシャルに船はついた。ヨーロッパ圏ではここが最後の寄港地だった。

フンシャルはポルトガルの本土ではなくポルトガル領の島である。島全体の建物は白く屋根はオレンジに統一されていてとてもオシャレな雰囲気だった。

ヨーロッパの寄港地の中でもモナコと同じくらい安心して歩ける場所だった。

私はクルー何人かとロープウェイに乗って街を見おろせる場所まで来た。そこで港も船も一望できた。

ロープウェイから降りたときちょうど丘にあった教会で結婚式を挙げていた。

綺麗な花嫁さんと花婿さんがにこやかに階段を下りていく。

結婚式は何度見ても幸せな気持ちにしてくれる。

 

ポルトガルを出発するとまた次の寄港地に到着するまでの間約一週間船生活が続く。

私はだんだんと離れていく港を見ながらため息をついた。