イタリアでスリ集団に遭遇 15

イタリア

 

イタリアでの思い出は,何と言っても行ってみたかったローマを観光できたことだと思う。ヨーロッパは国と国が隣接しているから国境がすごく曖昧である。だからこそヨーロッパは他国であっても気軽に行きできるのが魅力である。

港はチビタベッキアだったのでローマまでは地下鉄を使わなければいけなかった。海外で地下鉄に乗るときは細心の注意を払うこと、そんな重要なことを私はこの時忘れてしまった。リュックを背負った私が電車に乗ろうとした瞬間、彼女たちは乗り込もうとした電車からやってきた。私は三人組の女の子たちに囲まれてしまった。後ろから焦った声で私の名前をよぶYちゃんの声がしていたが、電車に乗り込むまで私は現状に気づくことができなかった。

日本で満員電車を知っていた私は乗り込みづらい電車を知っていたので、まさかそれがスリに囲まれていたからとは思ってもいなかった。だって前にも後ろにも友人がいた。なぜ真ん中の私を狙ったのか。おそらく一番ぼんやりして見えたのだろう。実際ぼんやりしていたが….。バックは全てチャックが全開になっていた。一部始終をみていたYちゃんは、私を囲んだスリの女の子たちはバックを開けて手を突っ込み何かを持って逃走したらしい。私は一見財布と分からないものにお金を入れていたためそれは盗まれずにすんだ。一体彼女たちが何を盗んでいったのか今になってみても分からない。イタリアはマフィアが今も勢力が強く存在している。スリや詐欺もグループを作り観光客を狙っているのだ。今日港についたクルーズ船の情報もそういうスリ集団の間で出回ると聞いたことがある。だからこそ気を抜いて歩いてはいけない国なのだと思った。

 

 

ローマに到着した私たちはさっきの出来事もあった後だが、大はしゃぎで写真を撮った。何を撮っても絵になる。だからか道には絵を描いて売っている画家たちがたくさんいた。日本では白い目で見られてしまう光景が、街に自然にとけこんでいて心地よく感じた。後に外国では絵を飾る文化が定着しているから、画家が職業として成り立っているのだと聞いた。私たちはコインの伝説で有名なトレヴィの泉に向かった。そこはすごい観光客の人たちでいっぱいだった。写真を近くで撮ってはまた次の人に変わって撮ってということをした。もちろんコインも皆で後ろ向きに1枚投げた。1枚だとまたローマに戻ってくることができるという伝説を信じて。

 

時間はまだあったのでバチカン市国に行った後、古代ローマ時代の競技場だったコロッセウムに向かった。修復はあったが古代の建物と思えないくらいしっかりとした佇まいに驚いた。ただ階段は足を乗せる幅が狭い上、階段と階段の間が高く作られていたので慎重に登らなければいけなかった。コロッセウムでは戦いの場に相応しい壮大さを感じた。中央の広場をぐるっと囲むように存在する観客席は現在の観戦場の元になっているようだ。屋根がないため開放的で古代の人はここで夢中になって鑑賞したに違いない。