先述したが7月18日は私の誕生日だった。
生まれた日に船で世界一周できるなんてこれほど嬉しい誕生日プレゼントはないと思った。
それを先輩のMさんに話したらなんと親しくなったクルーたちを巻き込んでお誕生日のお祝いをしてくれた。
ケーキとみんなの寄せ書きが書いてあるカードをいただいてとても嬉しかった。
この航海中に何度かクルーのお誕生日会が開かれた。インドネシア人がクルーの中では一番多いのだがインドネシアの風習でお誕生日の人が周りに感謝を示す為もてなすのだと聞いた。
そのため誕生日の人はお祝いしてもらうのではなくお祝いするのである。日本とは間逆の発想だったが風習の違いに私は喜びを感じた。
シンガポール
ベトナムを離れて三日後、船はシンガポールに到着した。テレビで何度もみたことがあるマーライオンを一目見ようと美容師のYちゃんと海外初の地下鉄を使っていくことにした。
海外の地下鉄といってもシンガポールの地下鉄は綺麗だしスリをする人もいないので安心して乗れた。後に海外の地下鉄がいかに恐ろしいものが知ることになるがそれはまた別の話。
シンガポールといえばマーライオンといってもいいくらいシンガポールのシンボルである。頭はライオン尾は魚の像である。行く前にもっと大きいと思っていたら小さかったといわれるガッカリスポットとも言われている場所だったのでドキドキしながらいったら想像以上に大きかったのでYちゃんとはしゃぎながら写真を撮った。
今でもマーライオンが入ったYちゃんとのツーショッット写真は大事な思い出である。
シンガポールで先輩のMさんとはここまでの同行だった。またここで何十人かのクルーが入れ替わりで入ってきた。
ここまで一緒にいた時間自体は短いが右も左も分からなかった船生活を支えてくれた人達との別れは寂しかった。船での時間は地上にいる時よりも濃い。常に沈没する危険性があるから命を共にしているという感覚になるのだろうと思う。
続く