雲母壁面画について

雲母壁面画(きらへきめんが)は、板に漆喰状の土台を作り、鉱物をブレンドした絵の具を滲ませながら色を重ねていく、長沼慧独自の技法です。雲母などの素材による煌めきと、壁画を思わせる絵肌を特徴としています。

月とクジャクを描いた作品

「雲母壁面画」という名前

江戸時代の役者絵や美人絵などに見られる、背景に雲母を用いた「雲母絵」から発想を得ました。雲母を用いることと、壁画のような絵肌を持つことから、「雲母壁面画」と名付けています。

さまざまな描き方と材料を組み合わせる点では、一般にミクストメディアと呼ばれる表現に近いものです。しかし、自ら工夫を重ねてきた技法への愛着から、固有の名称を用いています。

素材と表現

作品により、雲母のほか、チタンや箔、金箔、偏光顔料、岩絵具などを組み合わせています。すべての材料を一律に用いるのではなく、それぞれの作品に必要な煌めきや質感に応じて選びます。

日本画の平面的な線と、洋画の立体的な表現を織り交ぜながら、西洋的でも和的でもある表現を試みています。

制作の特徴

板にざらざらとした下地を作り、その上に色を薄く滲ませながら重ねていきます。

背景には、スパッタリング(絵の具を細かく飛ばす技法)と筆を用い、偶然と必然を織り交ぜながら描いています。

制作風景

技法のこれから

雲母壁面画は、一つの決まった型にとどまるものではありません。描き続けるなかで、用いる材料や表現、絵柄、テーマ、モチーフも変化していきます。

作品ごとの試みを重ねながら、これからも技法を育てていきます。

作品世界の背景については、作家についてをご覧ください。